薄暗い部屋に たった二人
ろうそくランプの灯りが 君の頬と口元を照らす
こんな所で二人っきりだというのに・・・
なんて 穏やかな表情をしているんだろう
これまで二人っきりになったことがないのが 不思議なくらい
でも 気がつけば いつも君は 僕のそばに居てくれたね
電車に乗るときも・・・
飲みにいったときも・・・
カラオケで歌ってるときも・・・
だから 僕も 自然なままでいられる
こんなに 君を身近に感じながら・・・
寒くないかい?
うん ちょっとだけ
じゃあ 僕の手を貸してあげよう 暖かいから・・・
あらっ ほんと
手が暖かい人は 心が冷たいって言うけど・・・
えーっ そんなことを信じてるの?
そうじゃなかったのねって 言いたかったのにぃ
ああ 良かった
二人は にっこり笑った
君は 僕の手をほっぺたにあてた
僕の手は 使い捨てカイロじゃないからねっ
えへっ 使い捨てになんてしないわ
大事に しまっておくから・・・
どこに?
ここに!
今度は 僕の手を胸のふくらみにあてた
ニットのセーターの下は ノーブラだった
あったかいわぁ~っ
柔らかいねっ
僕の指先が 君のおっぱいの上で 起用に踊った
身体じゅうを 滑って転んで 暖めた
茂みの向こうにある 湿地帯からは
泉があふれ出し
すすら泣くような 君の声が暗い部屋の中でこだまする
君の体が 僕にしなだれかかる
ただ ろうそくの炎が ゆらゆらと動き続けていた